タイトル『一般的には調味料でも立派な食料ですから。』

「あ〜、暇だなあ。」
万事屋にはいつものごとく仕事がない。外を見ればぽかぽか陽気。
因みに新八はお通ちゃんのライブに神楽は酢昆布買いに出ているのであった。そのせいか余計に中に閉じこもるのが馬鹿らしく感じるのだった。
こんな日には金がなくとも部屋に篭るべきではない。
よっこらしょ、と腰を上げて銀時は町に赴く。金はなくとも糖分の摂取は必要不可欠。ようはツケで食べに。

「あの、土方さん。」
一方屯所では、が勘定方の仕事に慣れ始め休憩がてら外出しようとしていた。そこで一応、身柄拘束の形になっているわけだからは外出するのに誰か隊長クラスの許可が必要だった。
いつもは沖田か近藤に言うのだが、今回は二人とも居らず仕方無しにすぐ目の前に居た土方に声をかけたのだった。
「なんだ。」
いつもよりも等比社で3割増しな位低い声。が屯所へ来てからというもの土方はいつでもにこういう態度をとる。
沖田は以前から知己であるためそういうこともない、それに近藤にしても最初からに対しては何の不信感もなく接してくれる。ただ、その二人がを疑わない分土方がを疑って掛かっている。
それは自身そう感じていたし、その考えも理解できる。長いこと情報を生活の糧にしてきたには土方の態度は至極真っ当なものだと思っていた。異例なのは近藤である。
だが、同時には心得ていた。そういう相手をどういう風に陥落していくか、相手の信頼をどれだけ得るか、これもまたどの場においても必要不可欠。
「ちょっと足りないものがあるので外に買いに行こうかと思うんです。」
「…何をだ。」
「クリップです。あと糖分。」
「ああ、行ってこ…なんだって?」
もちろん土方には聞こえていた。だが最初のほうはともかく最後の言葉に頭が理解を拒否したのだった。
「ですから、クリップと糖分です。」
糖分と言う言い分にどこぞのいけ好かない万事屋を思い出す。
「ちっ、なんだ、その糖分てのは。」
「角砂糖です。」
角砂糖、それならば珈琲などを飲むときに使用するのだろうと思い、土方は外出を許可した。
最初のほうは土方に外出を申し出るときにはもっと厳しかった。何せ、賄い方に行けばよいものを、勘定方にはいるのだから。
「では、行ってきます。」
屯所をでて、ここへ来た当初のころを思い出す。それを比べると土方もまだ少しは信頼したように思える。は知っていた。最初の頃、土方にどういう目で見られていたかを。
(もう少しってところかな。)
屯所ないでもの評判は上々だった。最初は女性ということがあり皆遠巻きだった。だがは、勘定方の仕事を見事にこなしていった。もちろん、間違いもしたし怒られもした。
最初から全てうまくいっていたわけではない。視線が痛いことも多くあった。だが、間違いを指摘されたり怒られたときにははその間違いを二度は犯すまい、と心がけていた。それが傍目にもわかり見ている側から好印象が生まれたのだった。
また、慣れるとそこからは前半の巻き返しのようにはうまく立ち回っていった。それが大きな影響を隊士たちに与えたのだった。
文具屋でクリップを買いさて糖分はどこで買おうと立ち止まっていると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえた。



万事屋をでた銀時は迷うことなく団子屋に向かった。そこは馴染みの店でいつでもツケで糖分摂取できるいうありがた〜い店だった。
「銀さん、いい加減半年分のツケ払ってくれないかね。」
「あ〜、うん、そうだな。まあとりあえず、団子3皿ね。」
「いやいや、そんな簡単には渡せないよ。そういっていつでも話はぐらかすが今回は〜一味違うよ。」
「へ〜、団子にチリペッパーでも入れたの?そのチャレンジャー精神は認めるけど、銀さんその発想には趣向を疑うよ〜。」
「誰がそんなこといってるか!!とにかく今日は帰ってくれ!」
意外な店の親爺の反撃にさ〜てどうしようかと考えていると銀時の目の端につい最近見たばかりの女が写った。
(おんや〜?あの女、確か。)
腰まであるまっすぐな髪を後ろできっちりと結っている。前髪も後ろと同じくらいの長さらしく、顔がはっきりと見えた。一見、幼そうなその印象。だがどこか違和感を思わせる雰囲気。
前回会ったときには寝ていたせいで寝巻き姿だったが、今は群青色の男物の着物を着ていた。
しかも女はあたりをきょろきょろと見回している。今でてきた文具屋とは別のところを探しているようだ。
いつもなら、銀時は女に気付くことはなかった。女は容姿がそれと言って格別に秀でているわけではなかったからだ。それでも目の行った理由はなんとなくだが銀時の中に浮上しつつあった。
が、当の本人は認めるどころか無視を決め込んでいたのだった。
(なんだかな〜。別にどこが良いってわけじゃあねえんだが。)
「よう〜嬢ちゃん。元気にしてっか?」
気付けば声を掛けている銀時であった。
「あ、確かセクハラ天パ白髪男。」
「うぉい!名前も聞かないうちに勝手にあだ名をつけちゃいけませんってお母さんに習わなかったか!いやだね〜最近の子供は、生意気ばっかりで。」
「こども?」
ピクリと口の端が引きつった。もちろんの側としては年をまた勘違いされていると思ったからなのだが銀時はしてはならない勘違いをしていた。
「あ〜ら、子供がこどもっていわれて怒ってるよ。まいったねえ、こりゃー。
しっかし、年のわりには発育良いのも最近の子の特徴かねえ。どれ?」
そういって銀時はあろうことかの胸に触れた。
ここで注意。あくまで軽くさらっと触れたくらいですから。
「!!?なっ!」
「あ〜らら、銀さんちょ〜っと勘違い。見た目ほどないのね、これ。」
そこまで言われて何も言い返さない女はいない。不運なことに(ある意味自業自得なのだが)銀時はの地雷を二つ、それはもう見事に踏みつけていたのだった。
鈍器で殴りつけたような音と地面にめり込む音が銀時の聞いたものであり、最初それが自分に向けられていたものとは露とも思わなかったのだった。
「私は21だし、なにより胸がないことなんてあんたに関係ない!!」
颯爽と?踵を返したはそこからさっさと離れる。
因みに銀時はというと地面とラブシーン中。最初の鈍器のような音はが踵落としを決めたもの、そして最後の音はそれにより銀時の顔が地面にめり込んだ音だった。
そんな状況でも回復力は早いらしく、ぼこっと地面から顔を上げ銀時は一言。
「21、ね。まあ、ロリコンの域ではないな。」

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「お、ラズベリー入りチョコレートか。何か微妙な味になりそうだな。すっぱ甘っぽく。」
「……」
「お、こっちは新製品。なあ、どっちがうまそうだと思う?」
「……」
「お〜い、聞いてんのか?」
「……」
「も〜しも〜し。…おい、こら。」
「……」
 !!」
「って、なんであんたが名前知ってんのよ!言ってないよ!苗字も名前も!」
ところ変わってここは『大江戸すーぱー』。は第二の目的、角砂糖を手に入れるべく来たのだが、なぜか銀時もついてきたのだった。しかも道中
間断なくに話しかけてくる。ここに来るまでの間もここについてからも無視を決め込んでいたのだがさすがに名乗ったわけでもないのに相手に名前を知られていたのでついつい
答えてしまったのだった。
「ほ〜れこれ。手配書に名前。」
にやにやと以前沖田が置いていった手配書をもちだす。
「!!苗字も。」
それをみて何故かは驚いていた。しかも本当に無意識にポロリとこぼれた言葉。
(なんで、苗字。)
「?どした〜?お〜い?」
ぴらぴらと左右に手配書を動かす銀時。思わずそれにつられて目を動かす。その光景はまるで餌につられて顔を動かす猫のようだった。
(そういえば沖田も言ってたな。)
の苗字はっていうんだなァ。』
その時は幕府からの情報と疑わなかったけれど、考えてみたらおかしい。その幕府は一体どこから。
一人考えに夢中になっていると遠くから銀時のこえが聞こえてきた。
「あ〜らら、銀さん目の前にして放置ですか。コノヤロウ。そんなことする悪い子にはお仕置きしますよ〜。」
「……」
「ほんとにしますよ〜。無言は肯定ととりますよ〜。」
「……」
「どうれ、銀さんのゴッドハンドでに豊胸マッサージを。」
むにむに。
「!!?っな〜にやってんだ、このセクハラ野郎!!」
さすがにその感触に現実に戻ってきた。右手を振り上げ平手を食らわそうとしたところ、それをあっさりと食い止める銀時。こつんと、額を合わせる。
「ん〜、熱も下がって足の具合も順調。」
何のことを言っているか最初分からなかった。だが考えてみれば銀時とは以前心身ともにぼろぼろのころに会ったときのみだ。そのときの怪我や熱のことを言っているのだとすぐに検討がついた。
が、あまりの顔の近さに何もいえない。別の熱が顔に上るのを感じた。
「お〜やおや?ちゃ〜ん、急に熱が上がってきましたねえ。」
それを確信犯で煽るのだから銀時も性質が悪い。
「で?何買いに来たんだ?」
急にぱっと離し目的を聞く。
「え、あ。角砂糖。」
「ほれ。」
いつの間に持っていたのか銀時は籠に入れる。そして一言「あ〜、糖分たらねえ。」
その時妙な既知感を抱いた


会計を済ませ、銀時に一言。
「あげる。」
渡したのは角砂糖一つ。
「は?」
「私も糖分少なくなったらそれ食べるから。」
「あ〜なるほど。食用ね〜〜っておい!それ食べるのか!コーヒーに入れるんじゃなくてか!」
「そうだけど?」
心底不思議そうな顔をしただった。


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