タイトル『猥褻害虫撲滅キャンペーン実施中』
「別に気を使う必要はなかったんだがねえ。」
「マア、イイジャナイデスカ。オ登勢サン。アリガタク頂戴シマショウ。」
何とか無事に着いたはお登勢たちにお礼の品を送ったのだった。いつものように煙草片手にふかしているお登勢。
何だかんだ言いつつちゃっかり包みを開けようとしているキャサリン。この場の雰囲気をは好んだ。
「いえいえ。ほんの気持ちですから。」
いつか、どこかで感じていたいと。
そう漠然と思っていたその場がここにはあった。そんなアットホームな雰囲気を壊すものももちろん居るわけで。
「そうそう。角砂糖のかたまりだろうしな。」
「…お気に召されるかどうか分からないんですが、最中です。お茶請けにどうぞ。
あとたこわさが入っていますのでお仕事中にでも。」
「え?まじかよ、おい。甘党で砂糖好きのお前がお返しにそんな普通のものをか!!ありえない!銀さんそんなの認めませんよ。」
「…」
「あ〜らら。ちゃんシカト?そんなことして良いんでしょうかね〜?天下の新撰組が一市民を無視だなんて。あ、銀さん傷ついた。
心傷ついた。傷心だ。」
「…」
「で?なんなんだい、お前は?にちょっかいでも出してるのかい?」
ふーっと煙をはき、お登勢は銀時の方へ話しかける。
「いやいや、銀さんそんなしわくちゃばばあよりもとお話が…」
「…黙れ、害虫。」
「へ?あ、あのさん?かなり過激なお言葉が聞こえましたが気のせいでしょうか?気のせいですよね?」
「だ・ま・れ。
が・い・ちゅ・うv」
満面笑顔で毒をはく。そうとう機嫌が悪いようだ。
「オイィィィィ!え?なんでいきなり害虫?銀さん心外デスヨ。侵害されちゃったよ、おい。こりゃあ、慰謝料ついでに銀さんと布団の中であつ〜く示談をだなあ…っ!」
銀時の調子の良い声は妙な轟音とともに途切れた。
「ちっ。はずした。」
そんな声を発するもまた妙な体勢で止まっていた。
「オシカッタネ。」
「へ〜、意外に綺麗な足技じゃあないか。」
の右足は空中にぴたりと止まったまま。その足先は、銀時の顔僅か1センチ横にあった。そんな足を見つつ銀時はいったいどこから出るのか分からないほどの冷や汗を流していた。
心なしか顔が蒼い。
「お登勢さん、害虫も選ばないと害しかなさないですよ。」
銀時に発していたのとは全く別の声音で話す。
「ちょ〜っと待て、おいこら。いきなりナンナンデスカ。このヤロウ。俺が一体何したって言うんだよ。」
「一つ。いきなり背後に立つ。
一つ。人の好みを嘲笑する。
一つ。セクハラ。
一つ。胸揉んだ。
一つ…」
「いやいや、待て待て。揉むっつうほどのもんがお前のどこについて…」
「「あ」」
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「で、この状況アルカ。銀ちゃん、馬鹿アルネ。しかし、ももうちょっと酷くするヨロシ。
これじゃあ、手緩いアル。」
「ってちょっと、神楽ちゃん!!なんでそんな爽やかな顔で毒はいてんの!」
銀時は、否、銀時だった物体はそこに転がっていた。そういう状態にしたらしいはお茶をすすっていた。その様はまさに、自分は関係アリマセンヨ〜と言っていた。
「「「「女の敵は即排除するもの(アルヨ)」」」」
所詮、その場には女4人に対し、メガネ基い男1人。しかも新八だ。適うはずもなかった。
「そういえば最近、新撰組新聞トップだったアル。あのサド王子のむかつくツラが一面で朝から気分最悪だったアルヨ。」
「それにしてもあの情報、どこから得たんでしょうね。」
例の武器密輸に関しては新聞だけでなくテレビなど各マスコミも大きく取りあげていたのだった。それもそのはず。検挙されたメーカーは大手。一体どこから謀反の情報や証拠を得たのか、その情報源を新撰組は全く答えなかった。そのせいか謎が謎を呼び今ではありえないような噂が流れているのだった。
「んなもん、が流したに決ってんだろ。」
「あら、やだ。さすがは害虫。しぶといこと。」
お茶をカタンと机に置き、ちらりと銀時をみる。
「銀ちゃん、起きたアルカ。」
「おお〜。た〜っくひでぇ目にあった。あ〜、いてぇ。」
首をこきこきと鳴らしながらのほうを向く。
「え?さんの情報だったんですか?」
「いいえ。そんなことは…」
「そうだよ。あいつらが明かさないってことは予想外なところから出てしかもソレが的中したってことだ。まあ、その予想外なところを自分の手柄にしないところはいかにもあのゴリラらしいところだろーが。」
「だから、違うと言って…」
「しかも、そのメーカー。おめえがこの前買ってた角砂糖のメーカーじゃねえか。」
「…」
「なあ? ?」
見上げる銀時には確信めいた感じが漂っていた。二人は互いに視線を逸らさず、見つめあう。
二人のただならぬ雰囲気に周囲はただ見守るだけだった。
はぁ、とは銀時から眼を逸らしため息をつく。
「妄想癖のある害虫なんて嫌な感じ。」
「…ほんっとにそっくりだな。“鏡の葛葉”に。」
チリン、と小さな鈴の音がしたような気がした。
新八も神楽も、キャサリンもお登勢も、その時何があったのか全く把握できなかった。ただ目の前にはその光景があった。
過程は見えなくても今目の前にあるのが結果だった。
机に居たはずのは小刀を銀時に向け銀時はソレに対して木刀で応対していた。の小刀の柄には小さな鈴がついていた。それが先程の音源だった。
からも一切の表情が消えていた。
「何故知っている。どこで聞いた。」
「お〜お〜。怖ぇ〜。そんなことじゃあ、とても“鏡”にはなれねぇぞ。」
反対に銀時はにやにやとどこまでも冗談のように相手をしている。
「っ!うるさい!!」
の頭に血が上った。まだ、話題に出されているくらいなら血の気が下がるほどなのに比べられるとどうしてもその血が急激に上がる。
ぐぐっと持っている刀に力を篭め銀時を押しやる。
「おお、意外に力あるじゃねえか。」
台詞はそうだが実際には余裕ありそうな感じには自身が冷静でなくなるのを感じた。
それが隙となった。にとっては最悪の、銀時にとっては最高の。
「なっ。」
眼を見開く。感じたのは唇、少し濡れた感触が
不快だった。
ピンボケするくらい近い相手。顔ははっきりしない。一面に白が広がった。
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