タイトル『Double-faced person?6 』

なんだか最近おかしい。何がおかしいって、ロイの様子。
だけではなくて、リザも、ハボック少尉も何やらヒューズ中佐までも。
そして、日常でも。


その日の昼、は郵便受けに手紙を発見した。宛名は・アークス、住所もなし。どうやら直接、このポストに投函されたらしい。これは実は最近良くあること。そして、その中に書かれていることはいつも、違うが共通することは一単語かかれていること。そして、それをつなげて読むと少しの文章になる。
「何なのかしらねえ。」
最初は気味が悪かった。が、この他にそれといって危険もなくは放っておいた。そして、今日その中の言葉は。

Detest

その意味は“憎む”。この言葉にはさすがに眉間に皺を寄せてしまった。今までの言葉を繋げばそれは、ほんとに簡単な告白。もちろん、も本気にはしていなかった。誰かの暇つぶしであろうと、高を括っていた。だが、この言葉には何か差出人の憎悪がこめられているかのような感じがした。
「いよう!!どうした?そんなとこに突っ立って?」
前回と同様にいきなり、しかも大きな声をかけられ吃驚したはつい、その手紙を落としてしまった。
「ヒューズ中佐!吃驚しましたよ。今日は早いお帰りですね。」
そう、先日ヒューズは仕事で東部に来ていた。しかも、その間中ロイの家に滞在というかたちで。いつもならば渋るロイだが、今回はしかもと微妙な空気な今、快諾してヒューズを受け入れたのだった。が、あまかった。確かにとの微妙な空気は薄まったがその代わり、ヒューズの家族自慢に強制的につき合わされていた。もちろん、も。
しかし、はロイとは替わって微笑みつつ和やかな目でその風景を見守り、好意的な相槌をうっていたのだった。
「おう、なんとかこっちでの仕事も一段落してなーって、なんか落としたぞ?。」
「あっ、それは!」
奇妙な沈黙。そして、ヒューズの目がいつもの仕事用になったのはいうまでもないだろう。
。これ、まだ他にもあるのか?」

「馬鹿者!!」
東方司令部執務室。いつもならば怒られているロイが今回は怒り、いつもならば怒っているはずのが怒鳴られていた。
「なんで、もっとはやくに俺に知らせない!」
ヒューズにこれまで来ていた手紙を見せたはその手紙たちと共に東方司令部へ連れて来られていた。
「…なにかの冗談かと思っていたのよ。」
一方、今回は自身に非があることが分かっていたのでは今日は神妙だった。
「しっかし、暇人もいたもんすね。」
そうして並べられた手紙。繋げて読めば、

I miss you. Since I love you. And I detest

 私はあなたに会えなくて寂しい。なぜならあなたを愛しているから。そして私は憎む

途中までなら普通?の恋文なのに。それが今回から脅迫じみている。
「この憎むって、対象は誰なのかしら?」
ホークアイは今日届いたものを見ながらふと疑問に思う。ばらばらの数枚の紙には、文章の終わりの単語にはちゃんとピリオドがついていた。しかし、今回のはそれがないためつまりはまだ続いているということ。
そして、ホークアイのこの発言により視線は一点に集中した。
「私、と考えるのが妥当だな。」
そう、に慕っているならばその憎むべき対象は“婚約者”である(本人は否定しているが)ロイ、ということになる。
「え?でも相手が男の人とは限らないのでは?」
はココまで来て自分が狙われているかもしれない、という自覚がかなり薄かった。
「ロイに対して想っている女性から私に対しての脅迫、とかはないんですか?」
このの言葉に執務室にいる人間は、呆然としていた。その妙な沈黙を破ったのはやはりホークアイであった。
。あなた、気づいていなかったの?」
「え?」
「最近、あなたをつけていると思われる男の存在に。」
「………うそでしょう?」
その言葉を心底、驚き、また同時にホークアイの勘違いではと思いつつ尋ねる。その疑問を自身に、確信へと変えるかのようにあとに続く声があった。
「いいえ、ほんとっすよ。」
「ええ、軍部内でもかなりの噂になっています。」
「俺も初めてに会ったとき男が見ているのに気づいたぜ?」
上から順に、ハボック、ファルマン、そしてヒューズまでもがホークアイの言葉に続いた。
これだけ複数の人物がそう言うのならば認めざるを得なかったは、ロイのほうを見る。
「私は先日、ハボックからその報告を受けていた。」
ロイまでもがそう言う。
先日、というのはあの残業の日のことだろう。なぜか、急にハボックに送ってもらうように言われたあの日。結局は、ホークアイに送ってもらったのだが。
「って、それならなんで私に伝えてくれなかったの?」
そう、知ったのがあの日なら今日までの間に差がある。
「……それは置いといて、だ。問題はこの手紙だ。果たしてこの後どう続き、どのような手に男が出てくるか。」
さらりと流され、少し不服だっただが確かにロイの言うことのほうが重要性が増す。
、これどのくらいのペースで送られてくるの?」
「今日のを除けば、二日に一回くらいだったんだけど。」
「今日は?」
「昨日、三つ目の“T”が送られてきたから、連日になるね。案外、これから毎日来るかもね。」
と、どこか危機感のないにロイはカチンときたのだった。
「自分のことだろう!!もっと危機感をもちたまえ!!」

その後、の予想(予言?)通り毎日一枚、手紙は投函されていった。ちなみに先日の司令部での取調べ?はに男に対しての心当たりがないため具体的な人物等は思い当たらなかった。
しかし、それもそうだろう。は田舎からここへ出てきたのだ。現在、滞在しているロイ宅の近所くらいにしか知り合いの類はいない。
その後、届けられた手紙は続ければ以下のような文章になった。

I miss you. Since I love you. And I detest him. I want to get away you

私はあなたに会えなくて寂しい。なぜならあなたを愛しているから。そして私は彼を憎む。私はあなたを連れ去りたい

さすがのも昨日届いた手紙には薄気味悪さを覚えた。そして、憎まれる対象はどうやら男らしい。…ロイである可能性が高いのだった。それでロイに危害を加えるかというメッセージが続くのかと思えば、そうではなく。連れ去りたい、と。この紙を見たときはちょうど室内でヒューズが側にいたのだった。そして、この文章が終わりでないことに一番最初に気づいたのも彼であった。
ロイの帰宅後、この次の言葉を見るときには誰かと必ず一緒に、ということで昨夜は落ち着いたのだった。そして、今日。運悪く午前中は誰も手が離せないらしく、また、今までのパターンから言っても手紙が来るのは午後、ということもありその日の午後にホークアイが家に来ることになっていたのだった。
時間は9時を回ったところ。その時、家のベルが誰かの来訪をつげた。
「はーい?」
「東方司令部より参りました。大佐から急な伝言です。」
昨日の今日だ。しかも、最後の一単語が届くであろう日。疑いこともなくは扉をあけた。そして、
「こちらに大佐からのメッセージが入っています。」
差し出された封筒を開け、中をみる。
「え!?なっ!!」
そうして、そこでの意識は途絶えたのだった。その時にみた、使いの男の顔にはこの男と会った時を思い出したのだった。


そうして、玄関先には一枚の紙が落ちていた。一つの単語を載せて。それが発見されたのは午後になってロイの家を訪れたホークアイだった。

最後の単語は

Today.


I miss you. Since I love you. And I detest him. I want to get away you today.


私はあなたに会えなくて寂しい。なぜならあなたを愛しているから。そして私は彼を憎む。私はあなたを今日連れ去りたい。


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